前回の記事の続きです。
前回は、Band6と7のSpeakingについて、評価基準の1つめ、Fluency and coherenceを見ました。
今回は、2つめ、Lexical resourceです。これは端的に言えばボキャブラリー、語彙に関する項目です。
まず1つめのポイントから!
Band 7
- uses vocabulary resource flexibly to discuss a variety of topics
- uses some less common and idiomatic vocabulary and shows some awareness of style and collocation, with some inappropriate choices
Band 6
- has a wide enough vocabulary to discuss topics at length and make meaning clear in spite of inappropriacies
そもそものvocabularyの幅、使える語彙の多様さが、Band6より7の方が大きいというのは、直感の通りだと思います。
評価基準から読み取れるその他の違いで気になるものとしては、Band7ではless common and idiomatic vocabularyについても書かれている点。idiomは、辞書では「熟語」や「慣用句」と表記されていますが、要はネイティブスピーカーが話し言葉で使うような自然な表現も織り込めているということになるでしょう。idiomatic expressionsとかで検索すると、山のようなウェブサイトがヒットします。
もう1つは、collocation。これは、ネイティブスピーカーが良く使う、自然な言葉の配列です。たとえば、___ an effortといえばmakeが入るし、take a c___ look なら、closeがぴったり。他の言葉を入れても、訳してみれば意味が通じないこともないけど、その言葉の組み合わせならこの単語を入れた方が自然だ、という、「あるある」の単語動詞の組み合わせとでも言えるでしょう。
ただし、Band7でもwith some inappropriate choicesとあるので、全て完璧に使いこなす必要はありません。
もう1つ。
Band 7
- uses paraphrase effectively
Band 6
- generally paraphrases successfully
どちらもparaphraseに触れています。パラフレーズ、つまり、同じ内容を、別の表現を使って言い換える技術のことです。
これは、スピーキングにトライしたことのある人なら、誰もがぶつかる壁ではないかと思います。たとえば・・・
I don't watch movies often, because... umm... I'm busy and have no time... so yeah, I don't watch movies often.
みたいに、「あーやっちゃった」と思いながらも、同じ表現を繰り返してしまいがちです。
ここで、I seldom watch them. みたいにスラッと言い換えができると、「同じことを繰り返している」という感じがなくなって、パラフレーズの力をアピールできます。これがどのぐらいできるのかという程度の差でも、Band6と7が分かれます。
・・・ひっくるめると、
★豊富な語彙を駆使できて
★idiomatic な表現やcollocationも使えて
★しっかりパラフレーズしながら話せる
ことが、Lexical resourceの面でBand7と評価されるポイントになりそうです。
・・・と言いながら、「高度な語彙で」というのは、まさにEasier said than done(言うは易し、行うは難し)で、「はい、じゃあ次からハイレベルな語彙で話します」とすぐにできるものではありませんよね・・・。
なので、まずは練習時、どうしても自分の使った単語の「間違い」にばかり目が行きがちですが、プラスで、
「もっとこんな単語とか表現が使えたかもな」とか、
「いつもmany people...っていう文ばかり使ってるから、これもっとかっこいい単語使って、他の言い方もできないかな」
とか、そういう意識の使い方もしていって、ジワジワと使える表現の幅を広げていくのが王道じゃないかと思います。
(減点ポイントだけでなく、加点ポイントにも目を向けるというか、そんな感じです。)
また他の基準についても書きたいと思います。では!