TOEFLは「ETS」という団体によって作成されているテストですが、
このETSは、TOEICも作っています。
それで、このTOEICの方では、リスニング問題は様々な出身地のスピーカーによって吹き込まれています。
端的に言えば、アメリカ・カナダといった北米の英語だけでなく、イギリス・オーストラリア出身者のナレーターも含まれており、かなり多種多様です。
TOEICがビジネス寄りなテストであることを考えれば、実際のビジネスでも、北米アクセントの人たちだけと仕事をするというケースは稀だと思うので、
そうやって色んなアクセントの人たちを織り交ぜておいた方が現実的なのかもしれません。
(受験者としては大変ですが・・・。 ちなみに、もっと現実的なテストにしようと思ったら、
多くのビジネスマンにとっては、インド人の英語に触れる機会こそ実際にはかなり多いのではないかと思いますが、まあTOEICテストに入ることはないでしょう。)
それで、ひるがえってTOEFL(iBT)の方ですが、こちらにも、他のアクセントの話者が登場する可能性はあるのでしょうか。
これについて、ETSは、次のように発表しています。下線部はこちらで足しました。
Beginning in March 2013, the Listening and Speaking sections of the TOEFL iBT® test may include other native-speaker English accents in addition to accents from North America. Test takers may hear accents from the United Kingdom, New Zealand or Australia. (ソース: このページ。)
つまり、Listening・Speakingの2つのセクションにおいては、
北米のアクセントだけではなく、イギリス・ニュージーランド・オーストラリアの話者が登場する可能性も存在するということです。
まず、Listeningセクションから。
ETSは、British Accentのスピーカーによるサンプルを公開しています。
➡ここをクリックすると、ETS発表のサンプルMP3ファイルが開きます
これを聞いてみて、どう感じるか・・・ですが、ずーっと北米アクセントでトレーニングしてきた人にとっては、最初はかなり違和感があるでしょう。
硬質な感じがして、個人的にはかっこよくて好きなイギリス発音ですが、いざテストで急にこれが登場すると、ちょっと戸惑ってしまいそうです。
ただ、過去を振り返ってみると、
今日(2015年12月)現在で、個人的に受けた最近のTOEFLのなかに北米アクセント以外が登場した記憶がありません。
もしかしたら、一言だけ登場する生徒役とか、そんなので登場していたのかもしれませんが、少なくともテスト中に「あれ、発音が何か違うぞ」と感じたことはありませんでした。
というわけで、個人的には、実は、あまり気にしていません。
「テンパって」いて、発音の違いに気づいていないだけっていう可能性も(かなり)あるし、
たまたまBritish Accentの回に当たらなかっただけかもしれないんですが、
少なくとも、上のサンプルのように、もろにイギリス風の発音でレクチャーがまるまる1つ出題された経験はありません。
(もし、「どう考えても、あればイギリス発音だった」というリスニング問題に遭遇した人がいたら、是非、コンタクトフォームからメッセージにて教えてください!)
続いて、Speakingセクション。
こちらについては、現在のところ、次のように発表されています。
In the Speaking section, only items 1 and 2 of the six tasks may have accented speech.
つまり、最初の2問にだけ、他のアクセント話者が登場する可能性があります。
リスニングを聞きとって要約する他の問題とは異なり、この冒頭の2問は、
「好きな余暇の過ごし方は?」みたいに、自分自身に関する質問に答える問題です。
しかも、問題文は、読み上げられるだけでなく、画面にも文字で表示されるので、
実質的に、この問題がどんなアクセントで読み上げられようが、ほぼ関係ないといえます。
というわけで、(今後、他の問題にも別のアクセントが登場すると発表されない限りは、)
このスピーキングセクションについては、慣れないアクセントに恐れる必要はないでしょう。
・・・というわけで、まとめると、ガッツリいろんなアクセントが登場するTOEICと比べれば、
TOEFLでは、今のところはそこまで気にする必要はないと考えています。
ただし、考えてみれば、ビジネス寄りのTOEIC同様に、
海外の大学への進学用のTOEFLだって、
いざ入学すればいろんな出身地の教授の授業を受けることがありうるわけで、
そうすると、「やはりいろんなアクセントを織り交ぜて出題するべきだ」と方針転換があってもおかしくはないので、少しだけアンテナは張っておきたいなと思います。
(ただ、TOEFLの場合は、たとえばLecture問題だと教授役の1人が延々と話し続けることになるので、
短めの音源が連続して繰り出される登場するTOEICと違って、
特殊な話者が1人登場しただけでその影響がかなり出ますよね。
なので、Listening問題で聴き取りにくい話者が登場する可能性は、存在はするものの、低いのではと思ってはいます。)
では、また!