「TOEFLのリーディングは時間が足りない!」という人、多いと思います。
また、「読み始めても、何の話かさっぱり分からない」ということもあります。
今回は、そういう人のために、
時間節約&内容をできるだけ序盤で把握するための強い味方、
スキミングを紹介します。
スキミングというのは、
文章を頭から順番に読んでいくのではなく、
まず文章全体の大切(そう)なところだけ読みとることで、
「何が言いたい文章なのか」「全体のテーマは何なのか」を最初に大雑把に理解してしまう
ためのスキルです。
スキミングには色々な流派がありますが、
ここで紹介するスキミングは、個人的にTOEFL(iBT)で有効だと考えている方法ですので、参考にしてみてください。
1. まずタイトルを読む。
リーディングの試験が始まると、まずパッセージ(文章)が画面の右側に表示されますが、
その上に、普通はタイトルが書かれています。
(クリックで拡大。以下同じです。)
このタイトルは必ず読みます。
パッセージのテーマそのものであることが多く、ここを見逃さないのが第一歩です。
ただし、読んでも「何それ?」ということもかなりあります。
だから、聞いたこともないような固有名詞が出てきても、ビビらず(その場合、ほとんどの受験者は同じように「?」となっているはずです)、
「ま、パッセージでちゃんと説明されるだろうな」ぐらいに思って、次へ進みましょう。
2. ラストの問題へ突っ走る。
タイトルをチェックしたら、パッセージを読むのではなく、一気に画面を下までスクロールして、
(なぜスクロールするのかは、こちらの記事の2個目の「Q」をどうぞ)
カチカチカチとNEXTボタンを押しまくって、そのパッセージのラストの問題まで飛びます。
なぜかというと、ラストの問題はたいてい「まとめ」問題なので、
そこで文章のまとめのような文が書かれていることが多いのです。
下記のような、
6つの選択肢から、本文のサマリーになっている文を3つ選ぶ問題(Prose Summary問題といいます)の場合、
3つ選択肢をドラッグするボックスの上に、まとめの一文が書かれています。
「イルカのコミュニケーションの取り方は、多くの科学者の興味を駆り立ててきた」とか、
「近年、地球温暖化に対して異なる考え方を主張する人々が存在する」とか、
そういう感じです。
ここをまず読むだけで、「タイトル」以上に、このパッセージがどういう話なのか多くの情報を得られます。
(※画面上の配置は、本番は少し違う可能性があります。)
ただし、ラストの問題が、上のようなProse Summary問題でない場合もあります。
「Fill in a Table問題」だった場合です。
これは、選択肢を2つのカテゴリーに分類していく問題ですが、
このタイプの場合も、先の問題を見ておくやり方は有効です。
たとえば、「地域Aの鳥」の特徴と「地域Bの鳥」の特徴に分類するという問題を見れば、
「このパッセージは、地域AとBの鳥を比較している文章らしいぞ」と予測できるからです。
・・・というわけで、カチカチとクリックしていくのは面倒ですが、
これが「まずラストの問題へと突っ走る作戦」です。
3. 1問目に戻り、王道のスキミングへ。
その後、パッセージの1問目に戻ります。
(またカチカチしていると時間がもったいないので、
今度は画面上の「Review」ボタンで、1問目へと飛びましょう。
そのやり方は、この記事の6個目の「Q」で紹介しました。)
ここで、ついに王道の「スキミング」をします。
オススメの方法は、各パラグラフ(段落)で、その第1文のみを次々に読んでいく方法です。
一応、原則としては、英語は「1パラグラフ・1アイデア」つまり
「1つのパラグラフにつき、メインアイデア(メインとなるトピック)は1つ」というルールがあります。(あくまで原則。)
そして、そのメインアイデアは、たいがいパッセージの1文目に来ることが多いのです。
傾向として「多い」というだけで、
パラグラフによっては、たとえば
「So what? No one at that time understood the importance of ...」
のように、1文目だけ読んでも訳が分からない可能性もあります。
が、経験上言えますが、このスキミングをすることによって、多くの場合、パッセージの内容・話の展開を大まかに把握できます。
これにより、パッセージを読んでいる最中に「ここ、訳が分からない・・・」という箇所に出会っても、
「どうせこの後、地域Bの鳥の話に移るから、そこまで我慢して読もう」とか、
「結局はこの理論は最後のパラグラフで否定されるしなー」とか、
先を知っている分、余裕を持って最後まで読み進めることができるようになります。
この1~3まで全てが終わるまでに、だいたい1分30秒~2分ぐらいかかるイメージです。
スキミングのポイントは「詳細を理解する」ことではなく「大雑把に話を予測する」ことなので、
ここに時間を費やしてしまっては本末転倒になってしまいます。
注意点としては、
本で練習するときは最後の問題はすぐ見に行けますが、
本番は、マウスでカチカチする時間などがあるため、練習時よりも時間がかかると思っておきましょう。